2020年5月22日金曜日

鷲田清一「折々のことば」1800を読んで

2020年4月28日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1800では
女優・・小林聡美の随想『聡乃学習』から、次のことばが取り上げられています。

  自分が五十になって思うのは、「こんな未熟
  モノで申し訳ない」ということである。

私は優に60歳を超えましたが、思いは全く同じです。考えてみれば、若い頃から常に、
そう感じて来たと思います。たとえ一度くらいでも、自分は自分の年齢を凌駕している
と、感じる瞬間があってほしかったものですが。

しかし青年期までは、私は自分という存在を卑下していて、自分で未熟者と感じる
度に、更に自信を無くし、行動や発言が消極的になるという、悪循環でしたが、ある
頃からは少なくとも、自分が未熟者と感じることが心を奮い立たせ、生きる励みにも
なったと思います。

それが年の功か、開き直りかは、分かりません。でも確実に言えるのは、ある意味
自分が未熟者であることを、どこかで肯定出来るようになったのかも知れません。

しかしそこが曲者、この肯定感が度を超すと、こんどは増長や現状で満足する怠惰
が顔を覗かせるでしょう。だから、倦まず飽きず、これからも未熟者の自分と付き
合って行きたいと思います。

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