2018年1月14日日曜日

福岡伸一の動的平衡 「ちょっと気配を消して」を読んで

2018年1月11日付け朝日新聞朝刊「福岡伸一の動的平衡」では、「ちょっと気配を
消して」と題して、福岡が少年時代にシジミチョウの観察から学んだ、自然を知るために
大切なことについて語っています。

昆虫採集の話題は、私も少年時代に熱中したので懐かしく、色々な思い出が脳裏に
去来します。

このシジミチョウから連想するのは、いつも足しげく通っていた、当時鴨川べりに残って
いた空き地で、確か造園業者が所有し、雑木林のようになっているか所もあり、街中に
しては自然が残っていました。

私はそこで、主にセミを捕まえていましたが、ある日いつも狙いを付けて訪れてみる、
雑木林の奥まった所に佇む虫の好む木の幹で、思いがけず初めてカナブンに遭遇
したのです。

その見事な光沢を放つ、この虫の青味を帯びた黄金色の羽の輝きは、今でも忘れ
られません。

ところで、その虫を捕まえることが出来たかというと、残念ながら結局逃げられて
しまったのです。その余りの美しさにしばし見とれていて、数分後我に返って虫を
捕獲すべく手を伸ばしたのですが、興奮していて指先が震え上手くつかむことが
出来ず、もたもたしている内に、カナブンは無情な羽音を残して、飛び去ったの
でした。

以降何度もその木の幹のところに行ってみましたが、一度もこの虫に出会うことは
ありませんでした。

自然は足しげく通うと時として思わぬチャンスを与えてくれるけれど、こちらにそれに
対する心の準備がないと、無情にもそっぽを向いてしまう。恐らくその時、そんなことを
学んだと思います。

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