2014年1月6日月曜日

映画 「利休にたずねよ」

映画 「利休にたずねよ」を観ました。

この映画は、利休に扮する十一代目市川海老蔵あっての
作品です。今は亡き十代目との最後の親子共演という
話題性とも相まって、当代の動を内に秘めた静、情念を
心の奥底に封じ込めたような演技には、鬼気迫るものが
ありました。
私のような和装業界に携わるものにとっては、利休の
お点前の所作や、その妻の立ち居振る舞いの優雅さ、
彼らが茶室の躙り口から室内に潜り入る時の衣擦れの
音に、和服の伝統的な美が存分に描かれていると思い
ました。
反面、映画のストーリーという部分では、利休の若き日の、
囚われ異国に送られてきた李朝の姫とのかなわぬ悲恋
が、ダイレクトに彼の「侘び茶」を形作る美意識に結び付く
という物語の運び方が、少し短絡的に感じました。

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