2025年3月4日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3352では
作家宮田珠巳による『宮田珠巳の楽しい建築鑑賞』から、景観デザインの研究者八馬智の次の言葉が取り
上げられています。
「見方が分からないときはスルーしてい
た風景なわけです。」
八馬は、建築において室外機の取り付けに着目する研究者で、実際に取り付けられた室外機を建築ごと
写真に撮ることによって、それまで気づかなかった新たな風景を発見することが出来ると言います。
つまり、本来目立たないように取り付けてある室外機に着目しながら写真を撮ることによって、今まで
見えなかった新たな視点を獲得することが出来ることを、「日常の絶景」に出会えたと表現するのです。
この視点は大切であると思います。私たちは日常の中で、ついつい見落としていたり、敢えて眼中に入ら
ないようにして、無視していることが多々あると思います。
それで事足りることは多いのかも知れませんが、そのような態度に慣れきってしまって、見落としている
ことも、往々にあると思われます。
だから敢えて通常には見ないものに視点を定めて、その角度からものを見ることは、新たな発見をもたら
せてくれたり、更には新たな思考法を生み出してくれるかも知れません。
既存の価値観に囚われない、柔軟な思考を獲得するなめにも、必要なことであると思われます。
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