2025年2月4日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3333では
『新明解故事ことわざ辞典』の記載から、次のことわざが取り上げられています。
耳は大なるべく口は小なるべし
このことわざは、「情報は広範囲から得るのがよいが、それを人に語るのは控えめにしたほうがいい」
という意味のようです。
確かに、情報は色々な所から得て信憑性を高め、正確を記するのが良く、それでいて、それを自ら
発信するときには、その情報の他への影響や、発信することの損得も考慮に入れて、慎重を記すのが
得策でしょう。それが思慮深いということだと思われます。
他にも「耳の楽しむ時は慎むべし」(甘言に十分注意すること)「耳に釘」(相手に警句を発する)
など、耳にまつわることわざは多いようです。このように聞くという行為は、見ると並んで、社会や
周囲の状況を把握し判断するために、大変重要な行為であると思われます。
しかし現代は、グローバル化、情報社会化の弊害として、目と耳に情報が過剰に入ってきて、返って
判断を誤らせるという事象も生まれてきているように思われます。この場合は、入ってきた情報を
正確に取捨選択する知性、冷静さの必要性が、更に増してきているように思われます。
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