2019年3月4日月曜日

2月24日付け「天声人語」を読んで

2019年2月24日付け朝日新聞朝刊「天声人語」では、不便だからこそいいことがある
という「不便益」の考え方から、身体能力を低下させないためにあえて段差を設ける
介護施設や、漢字を忘れないようにするために偽の漢字をときどき交ぜてくるワー
プロ、道を覚えやすいようにするために何度も通ると道がかすれて消えていくカーナ
ビななどの事例を挙げて、今問題になっているコンビニの深夜営業について再考を
促しています。

私自身も、深夜にコンビニエンスストアが営業していることによって、便利さを感じた
体験がまるっきりないことはありませんが、今までも基本的には真夜中にコンビニが
開いている必要性があるだろうかと、感じて来ました。

つまり、夜中も営業しているという予備知識があるから、あえてもっと早い時間に買い
物に行こうとせず遅い時間に行くのであって、ことさらに深夜に開いている必要はない
のではないか、と思うのです。

勿論、夜中に急に必要になるものがないとは限りません。その点においてはコンビニの
夜間営業は大変便利です。でも考えてみれば急に必要となる品も、深夜に店が開いて
いないことをあらかじめ知っていたら、事前に準備して備えて置けるものが大半でしょう。
その意味ではコンビニより薬局が深夜営業している方が、ずっと理にかなっているように
感じます。

あるいは夜中に開いているコンビニが、単に夜間に品物が買える利便性だけではなく、
深夜に明かりが点いた場所があることによる防犯上の役割や、行き場のない子供の
一時避難場所というような役割を担っている場合があるとしても、それは限られた限定的
な店舗、地域のことのようにも想像されます。

ですから何も全ての店舗が24時間営業である必要はなく、それぞれの店、場所に合った
営業形態を採ることが理にかなっていると思われますし、かえって消費という文化を鍛え
るとも感じます。このエッセイの指摘するように、利便性の向上は必ずしも生活の向上と
一致しないと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿