2017年9月11日月曜日

「福岡伸一の動的平衡 京都で見たクマゼミの羽化」を読んで

2017年9月7日付け朝日新聞朝刊、「福岡伸一の動的平衡」では
「京都で見たクマゼミの羽化」と題して、子供の頃、東京でクマゼミに出会うことは
なかったが、関西旅行の際、はじめて見たこの大型のセミに魅了された、と記して
います。

私の子供の頃には、京都の街中にも確かにクマゼミが生息していましたが、
アブラゼミやニーニーゼミが多く生息し、クマゼミは限られた木に見られるだけ
でした。

だから子供の時によく昆虫採集に行った近所の空き地でも、アブラゼミやニーニー
ゼミは簡単に捕れましたが、クマゼミはその空き地の奥まったはずれの一本の木に
だけ集まっていて、囲いの柵に上って腕をいっぱいに伸ばし、捕虫網でどうにか
一匹捕れた時には、何か大した事をやってのけたような達成感を味わったものです。

最近は地球温暖化の影響か、クマゼミがどんどん増えて来て、私の家の坪庭でも
普通に見かけます。今まで当たり前のように感じて、子供の頃の感慨を思い出す
こともありませんでしたが、この文章を読んで記憶がふとよみがえりました。

そういえばかつては自宅の近所に、寺院跡の空き地もあって、そちらでは玉虫を
捕まえたこともあり、また小学生仲間で秘密基地を作って遊んだこともありました。

それらのささやかな子供の冒険心を満足させてくれた空き地も、今は全てマンション
や駐車場に代わり、跡形もありません。今回の「福岡伸一の動的平衡」を読んで、
ほのかに切ない気分がよみがえって来ました。

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