2015年11月6日金曜日

秋の「京都非公開文化財特別公開」で浄土宗信行寺に行って来ました。

10月30日より秋の特別公開が始まり、伊藤若冲が描いた天井絵「花卉図」
がある信行寺(京都市左京区)に行って来ました。

この催しは、拝観料を文化財保護に充てることを目的に、寺社などの日頃
公開されていない文化財を、この期間に限り公開するものです。

私も、常には公開されていないということで、このお寺に若冲の天井絵がある
ことを、今回の新聞紙上の告知までついぞ知りませんでした。

この寺の所在地も今回初めて知ったのですが、東大路通り二条下る(南入る)
西側で、日頃岡崎の美術館に行く時などによく通るところです。

それほどにいつもは目立たぬお寺ですが、この日は特別公開に訪れた
人々で門の外まで行列が出来ていました。

待つことしばし、一回に「花卉図」のある本堂に入れる人数を通し、
一定時間で入れ替え制にしてあるので、思ったよりも早く本堂に上がることが
出来ましたが、まず天井絵の下に全員着座して説明を聞きます。それが
終わると、思い思いに天井にある絵を眺めながら、巡ることになります。

本堂の天井面の一画、たて約4m~よこ9mぐらいの部分が格子状に区切って
あって、全168面の1面を除いた167面(各38cm角)の中の円形の画面に、全て
異なる植物の絵が描いてあるということです。

まず最初に座った状態で眺めると、絵の具が薄れていて、あまりそれぞれの
絵を認識することが出来ませんでした。立ち上がって一枚ずつ注視すると、
ようやく図像が浮かび上がって来ました。

想像していたより絵が褪色していて、往時の面影はありませんでしたが、
よくよく観ると若冲らしい奇抜な構図やデザインを認めることも出来、また
想像を巡らすとかつての華麗さを思い浮かべることも出来て、一度観てみる
甲斐はあったと感じました。

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