2025年5月7日水曜日

「鷲田清一折々のことば」3327を読んで

2025年1月27日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3327では 日本文学研究者ロバート・キャンベルの随想「幸せは輪のように、巡りくるもの」(JAF Mate編『幸せっ て何だろう』所収)から、次の言葉が取り上げられています。    高いところから甘い固形物がズドンと落    ちるというより、幸せがぽたぽた「零れ    る」方が幸せの実感に近いのではないか。 人生を長く生きていると、確かに思いがけぬ幸運や、瞬間的な幸福の絶頂というような経験もあります。 でもそれらは、後から振り返るとはかない一夜の夢のように回想されて、なかなか実感を伴って、思い 返すことの出来ないことのように思われます。 それに対して、じんわりとわいてくる幸せ、何かをやりながらしみじみと感じられる幸福感、ことの後 に気づかされる満ち足りた気分などの方が、実感を伴う幸せのように感じます。 正に上記のことばが示してくれるように、このような幸福を味わう為に、地味でも堅実な努力を積み重ね て、日常の些事の中に喜びを見出しながら生きて行くのが、私には理想的な生き方であるように思われ ます。

0 件のコメント:

コメントを投稿