2025年1月27日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3327では
日本文学研究者ロバート・キャンベルの随想「幸せは輪のように、巡りくるもの」(JAF Mate編『幸せっ
て何だろう』所収)から、次の言葉が取り上げられています。
高いところから甘い固形物がズドンと落
ちるというより、幸せがぽたぽた「零れ
る」方が幸せの実感に近いのではないか。
人生を長く生きていると、確かに思いがけぬ幸運や、瞬間的な幸福の絶頂というような経験もあります。
でもそれらは、後から振り返るとはかない一夜の夢のように回想されて、なかなか実感を伴って、思い
返すことの出来ないことのように思われます。
それに対して、じんわりとわいてくる幸せ、何かをやりながらしみじみと感じられる幸福感、ことの後
に気づかされる満ち足りた気分などの方が、実感を伴う幸せのように感じます。
正に上記のことばが示してくれるように、このような幸福を味わう為に、地味でも堅実な努力を積み重ね
て、日常の些事の中に喜びを見出しながら生きて行くのが、私には理想的な生き方であるように思われ
ます。
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