2025年4月17日木曜日

「鷲田清一折々のことば」3289を読んで

2024年12月11日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」では ライター北尾トロの『長く働いてきた人の言葉』から、次の言葉が取り上げられています。    あえて言葉にされない平凡な1日の積み    重ねが、その人の厚みになっている。 北尾は、「いろんな職業の人に話を聞いてきたが、心底感心した人に、劇的な人生を送った人や高みから 教訓を垂れるような人は一人としていなかった」と言います。 そう、有名人であったり、格別の実績を収めた人より、名も無く、コツコツと生きてきた大多数の人々の 中にこそ、温厚篤実な人は居るのでしょう。逆に社会で成功する人は、他より抜きん出るために、自己 主張が強かったり、人を出し抜くような誠実でない部分があったり、あるいは、初心は素晴らしい人品の 持ち主であっても、周りからちやほやされる内に、わがままが顔を出したりするのかも知れません。 特別恵まれずとも、与えられた日常を精一杯、ただ黙々と生きてゆく。そういう心構えの人の中に、いぶし 銀のように輝くものが生まれうるのだと思います。でもこれは、決して容易に達成されるのではなく、なぜ なら、起伏のない平穏な日常を淡々と生きることには、信念と受容と、忍耐が必要なはずだからです。 一貫して平凡な日常を歩んできた私も、そのような人になることを目標として、残りの人生を生きていき たいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿