どちらかというと、前近代的なイメージがある、平面性を特色とする
衣服を発展させて、このような未来志向のファッションを創造した、
日本人デザイナーのイマジネーションの飛躍に感動しました。
「伝統と革新」、彼らは、それまで西洋ファッションに存在しなかった
美の探究を、新たな素材の開発にも求め、京都の伝統的なもの作り
技術の応用にも、積極的に取り組みます。
西陣の織物素材をドレスの一部分として使用し、伝統的な染色技術を
用いて染め上げた生地で洋服をデザインするのです。
このパートは、とかく業界内に閉じこもりがちな、私たち和装業界の
人間にとっても、刺激的な内容でした。
「物語を紡ぐ」、長い不況の後のファッションデザイナーは、個人の
ささやかな幸福感を体現する小さな物語の表現にも、目を向けて
いるように思われます。
自らの人生の中で着用してきた衣服の断片ををつなぎ合わせて、
新たな一枚の服を作り上げたり、自分が好きなもの、なってみたい
ものをイメージさせる洋服をを創作したり、あるいは、愛用している
洋服の傷んだ部分にお気に入りの刺繍を施し、ニットの小さな
アクセサリーを縫い付けてドレスアップするというものです。
このパートは、私たちの店が承っている、一枚づつからの帯揚げの
誂え染めとも、通じ合うものがあると感じました。
0 件のコメント:
コメントを投稿