2024年1月24日水曜日

「鷲田清一折々のことば」2915を読んで

2023年11月20日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2915では 民俗学者・柳田国男の随想「教育の原始性」から、次の言葉が取り上げられています。    日本の伝統には、文字は勿論口言葉にも    表されないで、黙々と伝はつて居るも    のがあったのである。 柳田によると、シツケは元々「人を一人前にする」ことで、昔は「あたりまへのことは少しも教え ずに、あたりまへで無いことを言い又は行ったときに、誡め又はさとす」のが常であったという ことです。 つまりは、教える側が教わる者を、初めから強制的に正しい形にはめ込むのではなく、教わる者が 気づくように導くということでしょう。 でもこの方法は手間や時間がかかるので、先にマニュアルを定めて、相手をその鋳型に押し込める ようになったのでしょう。 そのような教育法が、個性のない、型どおりのことしか出来ない、上からの言いつけに従うばかり の人間を大量に生み出しているのは、間違いありません。 だから、日本の従来の徒弟制度的な鍛錬、つまり、基礎を体で覚え込ませるような指導法を、何ら かの方法で現代の教育に取り入れることも、必要だと思います。 最も、よりスピードアップと効率化を求められる今の世では、そのように身振りと後ろ姿で伝える ような教育は、ますます難しいように思われますが・・・。

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