2023年12月21日木曜日

「鷲田清一折々のことば」2900を読んで

2023年11月4日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2900では エッセイスト稲垣えみ子の『家事か地獄か』から、次の言葉が取り上げられています。    便利なものっていうのは「自分」を見え    なくするわけですね。 稲垣は、掃除機や洗濯機、冷蔵庫などの家事をラクにする家電製品は、できることが増える歓びを、 ーしなければならないーというプレッシャーに変えてしまう。そして何より怖いのは、家事を「 めんどくさくてつまらないもの」と思わせてしまうことだ、と言うのです。 う~ん、難しいところですね。家電製品によって、家事は画期的にラクになりました。女性が家事 を担うという従来の価値観では、彼女らにそれに費やす時間を他のことに当てる余裕を生み出した、 とも言えるでしょう。それはそれで、女性の地位向上につながった部分もあるのではないでしょう か。 でもここで言われるのは、便利になったために、かえって家事をしなければならないという重圧が 増した、ということでしょう。だけどそれは、家庭環境にもよると思われます。つまり夫婦、家族 で分担して家事を行う家庭なら、家電製品が出来たことによって、それぞれの家事の専門性が薄れ、 皆が分担しやすくなった、とも言えるのではないでしょうか? あるいは上記のことばの語り手は、家電製品の登場によって、家事は自ら工夫したり、時間の合間 に手軽にするものではなくなた。そのために退屈で、苦痛を伴うものになったと、言いたいのかも しれません。 でも残念ながら現代社会では、大部分の人が時間が足りなくて、なんとか空き時間を生み出そうと、 四苦八苦しているのではないでしょうか?そういう意味では、家電製品は確実に、そんな人たちの 要望に応えていると思われます。 私もリタイアして時間が出来たら、掃除などは箒や雑巾を使った手作業でやって、満足感や達成感 を味わえたらいいな、とも思います。

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