2020年2月12日水曜日

鷲田清一「折々のことば」1710を読んで

2020年1月26日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1710では
米国の作家、ポール・オースターの『ナショナル・ストーリー・プロジェクト I』(柴田
元幸他訳)の「編者まえがき」から、次のことばが取り上げられています。

  物事について考えを固めてしまわず、見えて
  いるものを疑うよう心を開いておけば、世界
  を眺める目も丁寧になる。

人生は私の乏しい経験からも、予想だにしないことが起こり、またなかなか思うよう
にはならないものです。だからついつい、その目の前の出来事に翻弄されたり、
引きずられたりするものなのでしょう。

私の場合、このような状態に陥らないために、出来うることは前もって色々な状況
を想定したり、心の準備をするように心がけているつもりですが、現実は往々に
予想を超えるものです。

特にこのような落とし穴にはまりこみやすいのは、陥る状況が以前に体験したこと
に類似している場合で、なまじっか経験則が頭にあるので、それに倣って対処し
ようとしたところ、思わぬ展開になってしまって狼狽する、ということが思い当たり
ます。このような事例は、文字通り上記のことばに習えば、上手く対処出来る確率
が上がるでしょう。

また、このような想定を超える事態への対処に限らず、何についても、決めつけ
たり思い込んだりしないで、客観的に見たり、柔軟に考えることは大切でしょう。
そしてそのように心がけるためには、注意深くものを見る習慣を身に着け、惰性に
流されないように頭を働かせる、つまり好奇心を持って、能動的に考えることが
必要でしょう。

私の自戒の思いも込めて。

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